三浦しをん作品を読みまくる

オフ会の際に譲っていただいた本の中に、三浦しをんさんの「格闘するものに○」と「木暮荘物語」がありました。

偶然というか、帰国前に図書館にリクエストしていたもの(予約を希望日までペンディングしていてくれた件)も同じ三浦しをんさんの「風が強く吹いている」と「光」だったので、ほぼ同時期に、4冊まとめて手元にきました。

それまで、三浦しをんさんについては全くのノーチェックで、「舟を編む」という作品が面白いらしいと言うのをtwitterで見かけて、探してみたのがきっかけです。
直木賞もとっていたのに、ねぇ。


格闘するものに...を読んですぐに、そのおもしろさに感心して、さっそく追加のリクエストを図書館でポチ。

「まほろ駅前多田便利軒」と「むかしのはなし」も読み終えて、「月魚」と「神去なあなあ日常」を追加でリクエスト。
これを読み終わってしまったら、もうリトルトーキョーの図書館の三浦しをんコレクションはほぼ制覇という感じです。

あ~寂しい。

日本の図書館では大人気でしょうから、ロサンゼルスの図書館にこれだけ揃っていて、ウェイティングリストを待つことなく、こんなにサクサクと続けて読めたのは「ありがたや~」ですよ。







「格闘するものに○」
出版社の就職試験を受ける大学生達の話し。
著者の実体験がモチーフになっているらしく、実在の出版社のイニシャルトークのようで面白い。
冒頭のファンタジー小説が、就職試験の課題のひとつというのも後で分かって、こっちの話しもきちんと読んでみたくなる。
これがデビュー作というのが驚きの出来の良さ。


「木暮荘物語」
宮部みゆきさんの長屋モノに通じるような温かさが味わえる作品。
古びたアパートに住む住民とそれにまつわる人達の、一風変わった愛の話し。
設定は違うけれど、めぞん一刻のような雰囲気も。


「風が強く吹いている」
万引きして走って逃げるところを見咎められた大学の新入生カケルが、住むところがないなら来いと誘われた、竹青荘。入居している他の学生達と心を許した所で聞かされた、誘った先輩ハイジの野望とは「箱根駅伝に出る」ことだった。
箱根駅伝への出場がそんなに狭き門だということから、マラソンのトレーニング方法、一握りの天才ランナーだけが見ることの出来るゾーンという世界など、知らないことだらけのおもしろさがあります。
映画になってるのね~。

「光」
これまで読んだ作品とはうって変わって、ただひたすらに暗い。
書かれたのは東日本大震災より前だけれど、その映像が記憶に残っている今となっては、津波によってひとつの島が壊滅してしまう様子など、読むだけでも恐ろしい。
自分への好意を利用して次々と邪魔者の排除を依頼する女、その女と自分が生き続けるために罪を重ねる人と、自分の夫がそうであるとわかっていながら平気な顔で一緒に暮らしていくことを選ぶ妻、誰が一番怖いでしょう。


「まほろ駅前多田便利軒」
読みながら、あ~これは映画になりそう。と思ったらやっぱりなってた。
瑛太君と龍平だって。みたいわ~。
便利屋を営む多田の所に転がり込んできた、高校の同級生の行天。多田は行天に負い目があるので追い出せない。
行天のことをもてあましながらも、その存在に自分のトラウマを癒されていく多田。
最後は行天を追い出してしまうのだけれど、結局というかやっぱりというか行天は戻ってくる。
続編が楽しみなお話し。


「むかしのはなし」
昔話をモチーフに、遠い未来にとって「昔話」になるであろう現代(語られた当時)の短編集。
ヤクザに追われるホストの話、空き巣の話、女子高生と叔父の近親相姦の話し、ひなびた漁村の漁師の話、タクシー運転手の話し、元彼の友人と無理矢理結婚させられた女の話、高校生達がヤクザの愛人からダイヤを取りかえす話が、ちょっとずつつながりを見せます。
途中から、その世界が隕石に衝突される地球だと言うことが分かって、その設定が無い方が面白かったような気もしました。地球が滅亡するという点で、「終末のフール」と似ています。


「月魚」
古書店の3代目、真志喜と古書の卸業をしている幼馴染み瀬名垣。幼い二人に起きた出来事が、真志喜から父を奪い、瀬名垣の父を廃業させる。それがあってなお、仲が裂かれることの無かった二人の相思相愛(おそらく、確実に (笑))が、成就するようでいて、キレイなままで物語を進ませていくギリギリ感が面白い。BLモノって読んだことがないけれど、この本に関して言えば気持ち悪さは感じなかったなぁ。
古本業というのも骨董店的なものから廃品回収業まで、色々あるのですね。

着物姿の古本屋なんていう始まりだから、京極堂のパクリなのかと思ってしまいますよ。(物の怪は出てこないけどね)。瀬名垣は関口というよりはもっとやんちゃな木場修に近いイメージなんですが。
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by daysofWLA | 2012-08-03 20:36 | 読んだもの | Trackback | Comments(4)
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Commented by tomo at 2012-08-30 19:20 x
「光」以降は、私全然読んでないです^^; 図書館どころか本屋さんにもあまり並んでいないような気がしますよ。
三浦しをんさんに出てくる人たちは、いわゆるちょっと変わり者なんだけど、みな普通に生きているところが好きです。
Commented by すいかりん at 2012-09-03 13:05 x
ご無沙汰しています。お元気ですか?
フジ子さんもお元気ですか?

夏休みが終わり、久しぶりにブログの世界(?)に戻ってきたら、三浦しをんさんの記事を発見!daysofWLAは今のところ何が1番お好きですか?”私は”格闘するものに○”が好きで好きで大好きなんです!この作品はあまり取り上げられる事がないので、嬉しくなってしまいました。”舟を編む”他、三浦さんの作品を次回の予算でたくさん購入してくれるよう、館長にプッシュ、プッシュしておきますっ!

これからもよろしくお願いします♪
Commented by daysofWLA at 2012-09-07 06:55
tomoさん、おっしゃるとおり、登場人物は一癖ある人たちですね。
小暮荘では社会の一員としての顔と自室に戻った時のギャップが上手く書かれていて、それが面白かったのだなと思います。
素敵な本をどうもありがとうございました。
Commented by daysofWLA at 2012-09-07 07:15
すいかりんさん、ふじ子も元気にしていますよ。人が動くとついて歩いて、気づけば視界にはいるところにいます。
どれが一番かは決められない感じですが、「格闘するものに○」は、デビュー作がこれ!?と出来の良さに感心した印象が強く、きっとこの先、何度読んでも飽きないだろうなと思っています。タイトルだけでは決して手に取らない作品だったと思うので、読んでみて良かったです。
館長様へのプッシュプッシュ、よろしくお願いします~。
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